Qt 4.6 だと SCIM で日本語入力ができないものが出てくるよ

SCIM がやばい状況だというのは、先日説明したね。ちょっと話は逸れるけど、Momonga Linux trunk では Qt が 4.6 へ上がったんだ。そうしたら、とうとう SCIM で日本語入力ができない Qt4 アプリが出てきてしまったんだ。たとえば、Quassel。僕はこれくらいしか Qt4 アプリを使っていないから他のものは知らないんだけど、他のメンバーが最近になって iBus へ移行しはじめている状況を見ると、SCIM はもうダメかもね。

iBus を使う上で注意点はある。Qt3 では iBus はうまく動かないかもしれない。KDE は Qt4 化が進んではいるのだけど、KDE3 (Qt3) は一部に根強い人気があるそうだ。すべての Qt3 アプリが Qt4 へ移行するには、あと数年かかるのではないかと詳しいメンバーはみている。追い打ちをかけるような話になるが、Qt3 と SCIM の相性もよくない*1。これは Libtool が 2.2 系になったせいだろう。すでに Libtool 2.2 系を必要とするアプリが出てきているため、Libtool 1.5 系というわけにはいかない。まあ、Qt3 なんて忘れてしまえばいいけどね。Qt4 はフォントが綺麗だし、僕は Qt3 なんてもう使いたくもない。

もちろん、uim という選択肢はある。僕は lisper ってほどでないけど、ああいう括弧の世界は嫌いじゃないし、むしろ Emacs 依存症の身にとっては uim は楽しい世界に違いない。でも、ディストリビューションとして納得のいく日本語入力環境を提供したい気持の方が強い。だから、再び魂が砕けるような作業になるかもしれないが、iBusSCIM もストレスなく動くようにしたい。

Momonga Linux は「国産 Linux ディストリビューション」と呼ばれることが多い。僕自身は、こう呼ばれることが嫌いだが、世間においてそのようの位置付けであるのならば、僕は日本語に関する部分へ力を注いでいく*2

だが、Momonga Linux は、我々自身の努力のみで成り立っているわけではない。あくまでも世界中の様々でいろんな人々の知恵と努力の結晶なのだ。少なくとも「国産 Linux ディストリビューション」という肩書きは、僕自身の気持とは大きなズレがあると感じている。

とはいえ、人の気持というものは人それぞれだ。Momonga Linux の根底にあるポリシーには、この「人それぞれ」というものが強く存在している。だから、上記のような僕の気持というのは、他のメンバーとは異なったものであるはずだ。ここに書いた内容は、Momonga Linux の統一見解ではないので鵜呑みにはしないでほしい。

いやはや、タイトルとは異なる内容にすり替わってしまって申し訳ない。こういった開発者のマインドといったもの伝え合うことは大事だと思うものでして。

*1:Momonga Linux 6 だと、それなりにちゃんと動くようにしてあるが。

*2:ちなみに、Momonga Project のメンバーには日本語に詳しくない海外のメンバーもいる。どういうわけか海外の Linux 系雑誌の付録として ISO イメージが収録されることがある。IRC に突然、イギリスとかドイツとか、非日本語圏のメッセージが飛んでくることもある。なぜだかフランスの研究機関でミラーされていたりもする。だから、日本語のみに特化するつもりはない。