続々:WD10EADS等で読み書きが低下する低速病について

コメントで煽られてしまったので、ちゃんと書いておくことにする。

以下の 2 つのエントリでは「低速病かもしれない気がしたけど、やっぱ違うかもしれない」という優柔不断で曖昧な記述をあえてしている。

というのは、WD が正式に不具合を認めたというプレスリリースを目にしていないのにもかかわらず、主に2ちゃんねるからの情報を元にした「低速病」なる風説を流したくないと思ったからだ。たとえ低速病が確かな事実であったとしても、ここが極東日本のはてな村のブログであったとしても、余計なことを書くと訴訟のリスクが 0 ではない。事実と事態は明確に切り分けるというのが、今の僕のポリシーなのである。

だから、わざわざ上記のエントリは軽い感じで低速病の明言を避けるようにした。

これまでのエントリの繰り返しになるが、僕は Momonga Linux trunk 環境で mdadm というソフトウェア RAID を用いて WD10EADS-00M2B0 2 台で RAID1 を構成していた。ある日から著しい速度の低下を感じつつも我慢していた。そのため低速病なのではないかと疑った。しかし、実は RAID1 の片方が壊れていたのだった。よって、低速病ではなかったのではないかと思うようになった。とはいえ、速度の低下の理由が片肺運用であるとは思えないほどの遅さを感じさせていた。ここまでは、以前のエントリで記載した内容だ。

生きている WD10EADS-00M2B0 が本当に低速病なのかどうか確かめるために、WD10EADS-00M2B0 に負荷をかける実験をしてみた。pdumpfs というバックアップスクリプトを用いて /home を WD10EADS-00M2B0 上に作った ext4 の領域へ書き込むだけという簡単なものだ。

1 回目の pdumpfs は /home をコピーするだけなので、そのときの様子は詳しく追っていない。寝てる間に済ませてしまった。これはどうでもいい。

2 回目の pdumpfs で見事に異常が発生した。pdumpfs は変更のないファイルをハードリンクで済ませることでディスク容量を節約するのだが、pdumpfs がとある /home の一部分をハードリンクで処理する際に、異常な速度の低下が起きた。わずか 10 個弱程度のハードリンクと数個のディレクトリを作成するのに、30 分の時間を要した。その間、WD10EADS-00M2B0 はガリガリと Caviar Green シリーズとは思えない騒音を出していた。WD10EADS-00M2B0 は裸族のお立ち台に差していたので、明らかに異常な状態であることが簡単に認識できた。

ただし、データの欠損はないようだ。

以上の結果は、あくまでも僕の環境で確認した内容であり、他の環境との関係は分からない。もちろん、これがいわゆる低速病にあたるかどうかもだ。

WD から何らかの情報が公開されることを望む。