シモツケコウホネ (下野河骨) を見に行った

栃木県の一部にしか自生していないというシモツケコウホネ (下野河骨) の花を見るために日光市の小代地区へ行ってきた。

事前に調べた範囲の情報だと、目的の自生地は東武日光線下小代駅から徒歩 10 分の場所という話だったし、参考にした下記のサイトによると看板が出ているそうなので、すぐに見つかると思っていた。

しかし、下小代駅を出てみると全くそれらしい看板はないし、それこそ見物客の姿など誰一人いなかった。

とりあえず、広めの道路を歩いていくと鹿沼市に入り込んでしまい駅へ引き返した。次は、北へ向かってみたのだが、それらしい小川は見当らずまた駅へ引き返した。もちろん看板などない。

この時点で気持ちは沈みはじめていたが、上掲のページの写真に写り込んでいた民家の形や色を頼りになんとか自生地へたどり着くことができた。やはり見物客はいない。


自生地の地図はこの行をクリック。


かわいい花だ。しっかりとした茎が妙であるが。ただ、予想していたほどの数は咲いていなかった。

ピンボケの写真しか撮れていなかった。たぶん慌てて写真を撮ったからだろう。というのも、本当に看板は見あたらないし見物客は誰一人いないし民家のすぐ脇にある小川だから、今年は見物に来てほしくないと住民の方々が思っているのではないかと僕は感じたためだ。男が一人で民家近くの小川に咲く花を見ているわけだから、もう不審者みたいなもんじゃない。なんだか長居できる気分ではなかったし、花に近づいて撮影する勇気もなかったし、空に黒い雲が広がりはじめていたので次の目的地へ移動した。


その数日後に次の下野新聞の記事で看板がなかった理由を知った。まあ仕方ない。

下記はシモツケコウホネ開花数が激減 日光 |下野新聞「SOON」 からの引用だ。

【日光】ことし4月種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」に指定されたシモツケコウホネに再び異変が起きている。小代の自生地での今シーズンの開花数が激減。「異変」と関係者が危機感を募らせたおととしを下回っている。原因は不明で、「シモツケコウホネと里を守る会」は「関係機関で専門的な調査と対策を講じてほしい」と不安を隠せない。

小代の水路には約70メートルにわたって自生し、7月から9月が見ごろとなる。同会はこの水路で、継続的に開花数、つぼみの数、水温を記録している。ことしは開花数が増えないことから、同会は自生地への経路を示す立て看板の設置を見合わせている。