なんとか Evernote を使い続けている
テキストデータとしてのメモを取るだけならば、どう考えても Emacs 上で Org-mode を使うほうがいいに決まっている。Emacs に依存しないこと、画像や PDF といったテキストでないデータを扱えることが大事な部分であり、ある程度の妥協は仕方がない。いや、かなり妥協しているように思える。
Org-mode はよくできているし、開発も活発だ。そもそも Emacs 本体に取り込まれている。柔軟なカスタマイズが可能で自分に合ったメモ帳を構築できる。
Org-mode の一番いいところは見た目だ。保存されるデータ形式は単なるテキストなんだけど、Org-mode を通して見ると綺麗に構造化される。
とにかく Org-mode を使いたくなる理由はいっぱいある。
もうひとつ優れたメモ帳に howm がある。これも Emacs の上で動く。
howm で気になるのは開発がいつまで続くのか分からないという点。ただ、保存されるデータはテキストなので他のメモ帳へ乗り換えるのは面倒ではない。
home で優れているのは浮沈式の todo リストだろう。これが携帯電話から読めればいいのに、とよく思う。
今まで試してみたメモ帳のうち howm が一番自分に合っていたと感じる。僕は一冊の紙のノートであるとか一つのファイルであるとか、一つの場所にデータをまとめるのが得意ではない。紙でも計算機上でも書き散らしている。もう改める気すらない。howm はより気軽に書き散らしやすくしてくれる。
こういった優れたメモ帳があるにもかかわらず Evernote へ乗り換えるわけだから、少々後ろめたい気持になる。なにしろ Emacs で画像や PDF を表示させることは可能だし、そういったファイルの管理と同期もうまくやればなんとかなるだろう。しかし、携帯電話の上で同じことを実現するのは厳しい。
あと、Evernote 依存になっていいのかということ。これは後で考えよう。
Evernote へテキストファイルをインポートするのは意外と難しい
[2010-11-20 Sat] 追記:以下ではテキストファイルを Evernote へインポートすると添付形式になると書いたが、そうはならずにごく普通のノートとして取り込まれることもある。おそらく改行文字や文字コードによるのだと思う。あと Evernote のバージョンにもよるだろう。(追記ここまで)
手元のテキストファイルを PDF などと同じ要領で Evernote へインポートすると添付ファイルになってしまう。メールで送るのが正統派のやり方であるらしい。
もちろん別解もある。Evernote に付属の Enscript.exe を使えばいい。つづきは気が向いたら書こう。
Evernote に日時を入れる
僕はこまめにメモへ日時を入れる習慣があるので、簡単に日時を入れられないと嫌である。Emacs だと自分で関数を書いていたのでそれで済ませていた。
Windows の Evernote クライアントであれば「Ctrl + ;」で「2010/11/11 11:11」といった感じで日時が入る*1。これなら生きていける。
問題はウェブインタフェースの場合だ。Linux から Evernote を触るときに困る*2。
最初に考えたのは Firefox に日時を表す文字列を生成するアドオンを足すってこと。探してみたところ、独自配布ながらも Timestamp というアドオンがあった。
これはフォームにフォーカスを合わせた状態でコンテクストメニューの「Insert Timestamp」を押すと日時が入る。
これでうまくいくと思っていたら、Evernote のウェブインタフェースに用意されているエディタ部分はフォームであるとみなされないようで、コンテクストメニューに「Insert Timestamp」が出てこない。
このアドオンに手を入れてもよかったが、Evernote 側で仕様が変わればまた動かなくなるかもしれないので、さらに別の方法を考えた。
次に考えたのは、X のクリップボードに日時を入れるようなショートカットキーを割り当てればいいというもの。
最近は KDE を使っているので KDE らしいやり方にした。参考にしたのは以下のページ。ただし、DCOP はすでに QDBus に置き換えられている。
まず、KDE 標準のクリップボードマネージャである Klipper へ日時を書き込む一行シェルスクリプトを作成。
#!/bin/bash qdbus org.kde.klipper /klipper setClipboardContents "`date '+%Y/%m/%d %H:%M'`"
次に、ショートカットキーを割り当てる。しかし、ここは分かりやすくない。もっとスマートな方法があるのではないかと思う。
KDE システム設定*3を起動し、「ショートカットとジェスチャー」を選ぶ。「入力アクションの設定」というカラムで、「KMenuEdit」にチェックを入れる。デフォルトだと無効になっているようだ。それから、KDE メニューエディタ*4を起動し、適当な新しい項目を作る。僕は、名前を「タイムスタンプ」、コマンドを「/home/toshiharu/bin/timestamp.sh」とし、「起動フィードバックを有効にする」を外した。キーの割り当ては「詳細」のタブで行う。とりあえず「F12」にして保存した。
これで F12 を押すとクリップボードに「2010/11/11 11:11」という日時が入る。ただ、キーの割り当てに関しては KDE 側にバグがあるようで、設定がうまく反映されるまで何度か試す必要があった。
まあ、Nevernote が動けばどうでもいいことなんだけど。